Sという男
こんばんは。天鳳の合間に勉強をしているシオザイアです。
11月が終わりましたね。
先月は角田の執拗な牌操作攻撃を受け続けながらもよく耐えた方だと思います。
鳳南5連ラス引いた直後に鳳東6連ラス引いた時は北海道にいるのに体だけが灼熱でした。
先月九段に昇段したバカヅキモンスターの皆さん、本当におめでとうございます。
年内の後段並びに不調嘆きツイート、誠に楽しみにしております。
さて、今までこのブログでは麻雀の事しか書いてませんでしたが今回はそれとは少し違った話をしようと思う。潮騒の少年時代の話。
今でこそ183cm55kgとかいう2sもビックリの体型だが、生まれた時の俺は身長51cm、体重3700gとかなりゴツい赤ちゃんだったらしい。まあそんな話はいいや。
自分は小さい頃からゲームが大好きで、初めてゲーム機に触れたのは幼稚園年中になる頃。ゲームボーイでポケモン銀をやり始めた。金ではなく銀にした理由はホウオウよりルギアの方がカッコいいから。まあ銀クリアした後に金もやったんだけどw
全てのポケモンを均等にレベル上げするのは退屈な作業に思えたので、水タイプでありながら草タイプを氷の牙で上から殴れるオーダイルだけを育てていた。
技構成は滝登り/氷の牙/噛み砕く/波乗り、とかだったかな。ワタルのカイリューも氷の牙で倒せたしオーダイルは強い。他のレギュラーメンバーは空を飛ぶ要員のポッポ(lv3)のみ。後はたまに居合斬り要員でサンドとか。
こうして思い返すと純粋な気持ちでポケモンを楽しんでいたか相当怪しい。効率厨ならぬ効率幼。
ちなみにポケモンの次に出会ったゲームが「将棋」なのだが、これに関しては書き始めると止まらないのでまた別の機会に書こうと思う。
そんな少し賢ぶった少年、潮騒も小学校に入学する。
小学1年生の頃、俺は軽いイジメを受けた。
内容はあまり覚えてないが、酷い言葉を言われたり遊んでいる時に自分だけ仲間外れにされたりとかだったかな。
あと鬼ごっこでやたら鬼に狙われる、というのもあった。ただそのお陰で足が鍛えられたのか、低学年の頃の俺の足はまあまあ速かった。運動会のリレーメンバーにはなかなか選ばれないけど毎回補欠には食い込む、くらいのレベルだった。
小学校では足速い奴が無条件で女子にモテたよね。俺はモテなかったけど。
今はもう手術で除去してもらったのだが、小学1年生の頃の俺は頰にかなり目立つホクロのような物があり、それがイジメの原因だった。
イジメられたのは仕方ないかなと思う。お互い小学生だし。見慣れないものに興味を持った結果、たまたまイジメに発展してしまったのだろう。
そんなイジメも、当時唯一の友達だったSが俺とイジメグループの仲を取り持ってくれたお陰で平和に解決した。
Sは本当に良い奴で、基本的にイジメグループの方と仲が良かったが俺の外見を笑うようなことは一切しなかった。Sがいなかったら、かなり悲惨な6年を過ごしていたかもしれない。Sのお陰で友達も増えたし、学校が楽しくなった。
Sはスポーツ万能のイケメンサッカー少年だった。
おまけに性格も素直で快活で、非の打ち所がないような小学生だった。(勉強はそんなできなかったかも)
ただ、サッカー下手な俺が運だけゴールしたらガチでキレて、一週間くらい口を聞いてくれなくなったこともあったw どんな時も勝負に熱い奴だった。
俺と同じくゲームが好きだった。
Sの家でみんなで何度もスマブラをやった。やりまくった結果、Wiiを持っていない俺が一番強くなったw 自宅でできないスマブラに対する執着心の賜物だった。
Sは、将棋にも夢中になった。よく俺に教えを乞うてきた。
ある日、授業中にメモが回ってきた。メモには鉛筆製の将棋盤と一緒に、「この局面何を指せばいい?」と書かれていた。俺が指し手を書いて渡すと、また別の物が送られてきた。書いて渡して、書いて渡す。この繰り返しでSは結構強くなったと思う。
流石にやり取りしすぎて先生に怒られたけど。
Sとのエピソードをいくつか書いたが、Sは本当に良い奴で人気者だったからみんなと仲良くしていた。だから俺だけが特別仲が良い、というわけではなかった。
なんならサッカークラブの友達なんかの方が一緒にいる時間は多かっただろう。
ただ、それでも胸を張って親友と呼べる存在である事に変わりはなかった。
小学校を卒業後、俺達は地元の中学校に入学した。
中学ではお互い部活もクラスも違ったため、Sと遊ぶ事は少なくなり、いつの間にか廊下ですれ違った時に軽く挨拶するだけの関係になっていった。
さっきも言ったようにSは人気者で、何もしなくても周りに人が集まってくるタイプの人間だった。
俺がいなくてもあまり変わらないな、と思った。
そして中2の頃、事件が起きる。Sは良くない先輩達とつるみ始めた。
不良生徒だ。髪を赤く染め、マスクをし、学ランの下に派手なTシャツを着ていた。校内でヤバイ事をしているのは見なかったが、ガタイも良く、できるだけ近づきたくなかった。でも連れの女の子のスカートはめっちゃ短くてえっちだな〜と思っていたのはきっと俺だけじゃないはず。
俺は、次第にSを避けるようになった。
不良色に染まったSは、そのまま問題を起こして転校してしまった。
転校先でも不良としてブイブイ言わせていたらしい。
中学を卒業後もあまり良い噂は聞かず、直接連絡を取る手段もなかったため彼の事は記憶から薄れていった。
そして今年の1月。成人式でSと再会を果たす事になった。6年振りだ。地元の友達とはずっと会ってなかったが、みんなと、Sと、昔のように話したいと思っていた。
そもそも来るか不安だったが、Sはちゃんとやって来た。
Sは、そこら辺のチンピラとは比べてはいけない、いわゆる「筋者」になっていた。
なんとなく予想はついていたが、やはりショックだった。
彼が素直すぎた故かもしれない。
この時も、俺はSを避けた。
ついに言葉を交わす事はなかった。
Sは俺を救ってくれたのに、俺はSを救おうともしなかった。
日常生活で自分の無力さを感じる度、Sの腕に刻まれていたド派手な刺青を思い出す。
一人で泣きじゃくる俺を励ましてくれた事を、彼は覚えているんだろうか